こんにちは!

皆さんは、ベルギー出身の画家と言われて思い付くのは何人いますか?

1、2人はスラスラと頭に思い浮かぶかもしれませんが、

それ以上となると、あれ、知っていたはずなのに...誰だっけ?と考えてしまう方も多いはず。

そこで今回は、覚えておきたい世界的に有名なベルギーの画家をご紹介します。

当記事を通して、ベルギー出身の有名画家についておさらいをしておきましょう!


1. ピーテル・ブリューゲル(父)

さて、まず初めにご紹介するのが、ピーテル・ブリューゲル(父)

今回出てくる画家の中で、一般的な知名度が最も高い画家ではないでしょうか。

彼の正確な生年月日は明らかではありませんが、1525年~1530年の間に生まれ、

そして1569年に亡くなっています。

ピーテル・ブリューゲル(1525/1530年~1569年)

そんな彼は、農民を題材にした画を数多く描いたことから「農民画家」とも呼ばれています。

当時のフランドル地方(現在のベルギー)で人気があったのはイタリア・ルネサンスの表現様式でしたが、

彼はむしろ自然の景色や人々(農民)の日常生活をありのまま描くことに関心を持ちました。

彼の代表作である『農民の踊り』は1568年に制作され、

村祭りの日に農民がお祭り騒ぎをする様子が描かれています。

≪農民の踊り≫ピーテル・ブリューゲル(1568年)

この作品のポイントとしては、絵の中にブリューゲルの皮肉が込められていることです。

画面の右端の木に飾られている聖母マリアの絵には誰一人目を向けることなく

踊り騒ぎ、酒を飲み、そしてキスをするカップルまでいるなど、人間の欲のオンパレードです。

このように、この絵には「人間臭さ」にまみれた農民のたちへの皮肉が込められています。

とはいえ、ブリューゲルは、

ありのままの姿で楽しむ彼ら農民たちを愛らしくも感じていたとも言われています。


2. ピーテル・パウル・ルーベンス

さて、次に紹介するのは、ルーベンスです。

一般的な知名度としては、50代より上の年代の方々の間では良く知られているかもしれません。

なぜならば、『フランダースの犬』というイギリスの児童文学で、

主人公ネロの憧れの画家として度々登場するからです。

この物語は1975年に日本でアニメ化され、ネロと相棒の犬パトラッシュとの物語に日本中が涙しました。

ルーベンス(1577年~1640年)

さて、そんなネロ憧れのルーベンスは、バロック時代の巨匠と呼ばれる人物で、

「王の画家にして画家の王」という異名も持っています。

そんなルーベンスは、宮廷画家として働く他に外交官としても活躍し、

経済的にも豊かで世の名声も得ていたことから、美術史のなかで最も成功した画家だと言われています。

≪レウキッポスの娘たちの略奪≫ルーベンス(1639年)

さて、そんなルーベンスの作品の中で今回ご紹介するのは、

アニメ『フランダースの犬』の最終回に登場した『キリスト昇架』『キリスト降架』です。

これら2枚の絵は『アントワープ聖母大聖堂』というベルギー最大のゴシック教会であり、

現在は世界遺産でもあるこの教会の祭壇画として描かれました。

主人公・ネロが力尽きる前に、この絵を目にして

ありがとうマリア様。これだけで僕はもう何もいりません」と呟くシーンには胸が熱くなります。

≪キリスト昇架≫ルーベンス(1610年~1611年)


≪キリスト昇架≫は、ゴルゴダの丘で十字架にかけられるイエスの姿が描かれています。

手や足には杭が打ち込まれ、

頭上には「ユダヤの王、ナザレのイエス」という罪状が書かれた紙が貼られています。

この絵の中では、罪状にはびっしりと文字が書かれていますが、

現実では「罪状札」という小さな札に、上記の罪をラテン語で書いたときの頭文字

(Iesus Nazarenus Rex Iudeorum)=INRIが記されていました。

≪キリスト降架≫ルーベンス(1611年~1614年)


続いてこちらの絵が、『キリスト昇架』と対になる『キリスト降架』です。

イエスが磔にされた後、十字架から下ろされているシーンを描いたものです。

『キリスト昇架』が左上から右下に絵の全体の流れが描かれている一方で、

こちらの『キリスト降架』では右上から左下に流れているのが分かります。

このように、絵のモチーフだけでなく作品の構造でもルーベンスは対照性を表現しました。


3. ジェームズ・アンソール

さて、続いての画家は、仮面や骸骨、悪魔などグロテスクな画風で有名なジェームズ・アンソールです。

彼は、ルネ・マグリットポール・デルヴォーと並んで

ベルギーの近代美術における三大巨匠として国際的に高く評価されています。

ジェームズ・アンソール(1860年~1949年)

彼は、後世のベルギー表現主義やシュールレアリスムに大きな影響を与えました。

特に、代表作『キリストのブリュッセル入城』は表現主義の先駆けと言われています。

この絵は、新約聖書に記されているキリストのエルサレム入場がモチーフとされており、

ブリュッセルの仮面を付けた人々が彼を迎え入れているという場面です。

キリストは、自らがどのような目に合うか(十字架に磔にされること)を知りながら、

エルサレムに入城しています。

≪キリストのブリュッセル入城≫ジェームズ・アンソール(1888年)

この作品を描いた当時、アンソールは批評家、そして自身の所属する団体の仲間たちからも

自分の絵を認めてもらうことができませんでした。

ルーベンス自身をキリスト、仮面の群衆を自分を認めない人々として描くことで

自らの運命を知りながらも入城したキリストと同じように

人々から理解されなくとも進み続けるという意思を描いたのではないでしょうか。

また、仮面の群衆は、彼らの無知や芸術に対する理解の無さ、

また心の奥にひそめる残酷さを表現したとも言われています。


4. 最後に

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さて、ベルギーの有名画家をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

どの人物もベルギー美術史において非常に有名なので、ぜひ覚えてくださいね。

最後に、同じくベルギー出身のシュルレアリスム画家『ルネ・マグリット』についての

記事もありますので、こちらもよかったら一読頂ければと思います!

【超独特】シュルレアリスムの画家、マグリットについて学ぼう

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