
こんにちは!
当記事では、印象派の有名画家『クロード・モネ』と『エドゥアール・マネ』についてご紹介します。
とても似た名前である上に、同じ時代に活躍した画家なので混同されがちな二人ですが、
ぜひこれを機会にお友達にもドヤ顔で違いを説明できるくらいに
モネとマネの知識を付けていって下さいね。
1.クロード・モネについて(1840年~1926年)

クロード・モネはフランスの画家で、「光の画家」と呼ばれています。
また、彼は印象派(もしくは印象主義)を生み出すきっかけとなった作品である
『印象・日の出』を描いたことで非常に有名です。
他にも、晩年の超大作『睡蓮』や、
彼の妻カミーユが着物をまとう姿を描いた『ラ・ジャポネーズ』、
ジブリ作品である『風立ちぬ』の作中で
主人公の妻である菜穂子の姿と似ていることで話題となった『散歩・日傘をさす女』など、
数々の名作を生み出しました。

そんなモネは、印象派を創設したうちの一人だと言われています。
では、創設までにどのような経緯があったのか、見ていきましょう。
2. クロード・モネと印象派の始まり

印象派とは、19世紀の後半にパリで起こった運動です。
当時のフランスの美術界では、
サロンと呼ばれる国の展覧会で認められることが画家として生きていく絶対条件でした。
そして、そこでは保守的な考え方を持つアカデミーの権力の下で
古典や宗教、歴史などの絵こそが最良のテーマと言われており、
現実世界を描く風景画や庶民を描く風俗画は良しとされていませんでした。
そこで、モネはルノワールやセザンヌらとともに、アカデミーに対する対抗として
『印象派展』と呼ばれる展覧会を自分たちで開催します。
しかし、最初の展覧会の観客は少なく、批評家たちからも批判されてしまいます。
批評家のルイ・ルロワという人物は、この展覧会に出展されていた
モネの『印象・日の出』に対して「印象を描いただけの稚拙な絵だ」と酷評しました。
そこから、「印象派」という名前は始まったと言われています。

しかし、展覧会の開催を重ねるうちに、
徐々に批評家からも彼ら印象派の存在が認められるようになりました。
また、後にゴーギャンやゴッホを始めとする
現在では巨匠と言われるような画家たちもこの展覧会に参加するようになりました。
このように、印象派はフランスの美術史を前進させる重要な役割を担い、
その中でもモネは印象派の旗手として活躍しました。
3. エドゥアール・マネについて(1832年~1883年)

続いては、同じくフランスの画家であるマネについてのご紹介です。
彼もまた、モネと同じく印象派の画家の一人に数えられますが、
印象派の前の時代である写実主義にも影響を受けているため、
その画風は他の印象派の画家とは異なったものでした。
さらには、上述の『印象派展』にも一度も作品を出展したことはありませんでした。

とはいえ、モネやその他の印象派画家とは深い交友がありました。
そんなマネと印象派画家たちとが親しくなったきっかけは、彼の『草上の昼食』という作品です。(上図)
この作品は、国の展覧会サロンに出展された際に、
それまでタブーとされてきた一般女性の裸像が描かれていたため大きな物議を醸し出してしまいました。
(なお、宗教的な裸像を描くことは一般的でしたが、現実の女性を描くことは当時あり得ませんでした)
すると、サロンを主催するアカデミーへの反骨精神から
『印象派展』を開催した若い印象派画家たちが、マネも自分たちと同じく
アカデミーの保守的な形式主義から脱する先駆者と見なして慕うようになったのです。

若い印象派画家たちは年上でもあったマネを敬愛しました。
特に、モネとマネとの親交は深く、彼は『草上の昼食』と同じ主題で作品を制作するなどもしました。
このように、マネが印象派画家に与えた影響は非常に大きいものでした。
しかし、彼は伝統的な芸術のアカデミズムからの解放を進めた者ものの、
印象派展からは一歩離れ、サロンで作品を出展することにはこだわったり、
古典的な手法や写実・現実主義美学も同時に重んじるなど独自のスタイルを貫きました。
とはいえ、当時の批評家たちからは印象派のリーダーとして見られていました。
以上より、彼はそれまでの古典的な絵画を尊重し、影響を受けた上で
それらの伝統に捕らわれずに風景画や風俗画を描き、
また印象派を成長させた人物としてマネは「近代絵画の父」と呼ばれています。
4. 最後に

モネとマネ、そして印象派成立の流れについて簡単にご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
今回は、彼らの画風や作品を描く技法がどのように先進的であったかについては割愛させて頂きましたが、
それらも美術史を理解する上で非常に重要な話になりますので、気になった方はぜひ調べて見てください!
当記事が、彼らについて関心を抱くきっかけとなれれば幸いです!