出典:IN THE GARDEN/KEANE EYES GALLERY

こんにちは!当記事では、「ビッグアイズ騒動」についてご紹介していきます

『ナイトメア』や『チャーリーとチョコレート工場』を手掛けたことでも有名な

ティム・バートン監督によって映画化もされ、

アメリカで一大ムーブメントを巻き起こしたこの騒動についてぜひ一読下さいませ。

(ネタバレが含まれているので、映画をこれから見る方はご注文下さい!)



1. ビッグアイズ騒動とは

big eyes
出典:マーガレットキーン/getty images

さて、この騒動の主な登場人物はウォルターマーガレットのキーン夫妻です。

1953年に出会った二人は互いに画家志望ということで意気投合し、55年に再婚します。

どちらも離婚経験者でした。

マーガレットは非常に内気な性格で人付き合いが得意ではありませんでした。

対して、ウォールズは人々を引き付けるカリスマ性を持った人物でした。


出典:Big Eyes, Big Lies; Painter Margaret Keane and the Truth/ANTHONY MATHENIA

二人はお互いに切磋琢磨しながら、売れない画家として苦労しつつ活動を行っていました。

そんな中、あるときから「ビッグアイズ」と呼ばれる大きな目をした子どもを

モチーフとしたマーガレットの絵が人々の目を惹くようになります。

すると、自分の作品には見向きもされなかったウォルターは、

出来心でマーガレットの作品は自分が描いたものだと嘘をついてしまいます

そこから、ウォールズの嘘は大きく、そして現実になっていきます。

Artist Walter Keane made millions – but his wife did all the work ...
出典:ARTIST WALTER KEANE MADE MILLIONS – BUT HIS WIFE DID ALL THE WORK/REHS

彼は、絵を描く才能は開花しなかったものの、

絵を宣伝したり、売ったりするマーケティング技術には非常に優れていました

そこで、彼は、絵を販売するための会社を設立し、どんどん事業を拡大していきます。

絵はセレブたちの間で高額で取引されるようになり、

ポスターやポストカードとしても大量に生産されました。

彼女の「ビッグアイズ」は、当時アメリカで流行っていたポップカルチャーの波に乗り

大きな話題を巻き起こしました

そして、このように人気が出てからも、ウォルターは真実を明かしませんでした。

ウォルターが派手に遊んだり、「ビッグアイズ」を生んだ天才画家として

トークショーのゲストとして登壇したりして世間から脚光を浴びている間も

マーガレットは部屋にこもって一人で「ビッグアイズ」を描き続けていました

なんと、彼女は自身の娘に対してもその秘密を打ち明けることをしていませんでした。


出典: Margaret Keane’s Eyes Are Wide Open /VULTURE

しかし、このような生活にマーガレットは酷く疲れ、

周囲の親しい人たちにも嘘を続けることに限界を感じます。

そして、1970年のとある日、とうとう彼女はラジオ放送に出演して

自らが本当の作者だということを発表しました。

この時すでに、ウォルターとマーガレットは離婚していました。

この告白に世間は大騒ぎ。

大人気の画家、ウォルター・キーンが実は偽物で、しかもそのゴーストペインターが元妻だというのです。

しかし、ウォルターは「彼女は狂っている」と激しく否定します。

そして、争いは法廷へ持ち込まれました。

最終的には、マーガレットが裁判官の前で「ビッグアイズ」の絵を描くことで

彼女が本当の作者だということが正式に証明されました。

この一連の騒ぎは、「ビッグアイズ騒動」として、アメリカだけでなく世界に衝撃を与えました。


2. その後の二人

出典: Margaret Keane and Her "Big Eyes" Paintings/ANTIQUES ROADSHOW

その後、見事に正当な名声を得たマーガレットは、92歳になった現在も

アメリカにある住まいで毎日絵を書き続けています。

彼女は、後にインタビューで元夫であるウォルターについてこのように語っていました。


女性が男性の後をついていくというのが普通だった時代だから、 そのなかで、妻のことをぞんざいに扱うだんなもたくさんいたと思う。 もちろんアーティストの世界でもそうだし、ビジネスなど、どのフィールドでも、 差別があって、女性が仕事をするのは難しい時代だったのよ・・・(中略)・・・ 彼がいなかったら私の作品は誰にも発見してもらえなかった

引用:ティム・バートン監督作品のゴーストペインターを直撃!/MOVIE WALKER PRESS
https://movie.walkerplus.com/news/article/54472/

Girl With Balloons Limited Edition Print
出典: GIRL WITH BALLOONS/KEANE EYES GALLERY

また、彼女は裁判が終わってから、彼を許す努力をしたといいます。

そして、そのような状況が生まれるのを許してしまった

自分自身に対しても罪悪感を抱く、とも話されていました。

このように、たくさんの苦労を重ねながらも、元夫のことを恨むこともせず

静かに絵を描き続けいるマーガレットの穏やかな人柄にも美しい魅力を感じます。

さて、その一方で、裁判に負けたウォルターはというと、

2000年に息を引き取りました。過去の名声も空しく、無一文の状態でした。


3. 最後に

絵を売る 著作権

さて、「ビッグアイズ騒動」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

金だけでなく名声も欲してしまったウォルターでしたが、

その彼がいなければ、内気で商売について何も知らないマーガレットの作品が

世に出ることはおそらくなかったでしょう。

そのような面では、彼はこの「ビッグアイズ」にはなくてはならない存在でした。

彼があのような嘘さえつかず、自らの商売の才能を活かして

妻の作品を世に送り出す良きパートナーになっていれば、また違う未来があったのでしょうね。

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