20世紀を代表する画家アンリ・マティスは、日本でも人気のある画家として世界中から親しまれています。
フォービズムという斬新な技法で描かれ、「色彩の魔術師」とも呼ばれていたように、緑を中心として非常に美しい色彩で描かれた作品を多く残しています。
有名なピカソ、マルセル・デュシャンと一緒に、20世紀の画家としてスリートップとして並べて語られることもあるようです。
また、晩年の切り絵作品やドローイング作品もとても人気で、多くの人々を魅了してきました。今回はそんなアンリ・マティスを解剖し、魅力に迫っていきます。
アンリ・マティスの生い立ち

1869年フランス北部で産まれたのち、ボアン=アン=ヴェルマンドワに移りマチスはそこで育ちました。
成長すると父の意向でパリへ出てパリ大学で法律を勉強し法律事務で働きます。
1889年虫垂炎で入院中に、母親の勧めで絵画と出会い画家へ転向する決意をします。お分かりかと思いますが、画家になったのはかなり遅く珍しいですね。
父はこれに失望しますが、美術学校アカデミー・ジュリアンを経て国立美術学校に入り、ギュスターヴ・モローの指導を受けます。
その後、アンドレ・ドランやジャン・ピュイらと出会い、またゴッホ、セザンヌらの強い影響を受け独自の表現を模索するようになります。
そして、新印象主義のポール・シニャックの影響で点描を用いて「豪奢、静寂、逸楽」を制作し、フォーヴィズム表現が確立します。
1905年サロン・ドートンヌに出品しモーリス・ド・ヴラマンクやアンドレ・ドランらと共に野獣派と呼ばれるようになります。
アンリ・マティスの作風

初期のマティスは写実的なものを描いていましたが、印象派、新印象派から影響を受けながら、自らのスタイルを模索していました。
その後、ラッセルやゴッホといった後期印象派の影響を受け、自由な色彩による表現に出会い、フォービズムと呼ばれることとなる自らの作風が生まれました。
■フォービズム
表現主義的絵画の中の一部を示すネーミングで、たまたま批評家の発した言葉の中に野獣という言葉が入っていたのを、表現の荒々しさや激しさを表すものとしてネーミングに使用したもの。二十世紀前半の、伝統的な芸術の価値観が一気に揺さぶられた時期には、芸術運動や必ずしも運動体とは言えないグループに対してさえも、実に様々なネーミングがなされた。従って、一人の画家がシュールレアリストであり、キュビストであり、ダダイズムの画家であるという奇妙なことが十分あり得るのである。
引用元:Weblio辞書
といったような説明がされています。
印象派主義によって保持されている表現的または現実的な価値よりも絵画的な質と強い色彩を強調した20世紀初頭の近代的な芸術家のグループであるそうです。
■作品
音楽やダンスはマティスの作品の中で多く描かれているテーマです。

引用元:キナリノ
また室内の絵についても多く描いていたと言われています。

引用元:キナリノ
また、1920年以降のマティスは、女性モデルを雇い人物画をよく描くようになったそうです。
おわりに
マティスという20世紀を代表する画家について、よく知ることができたでしょうか。
マティスはフォービズムという影響を与え、新しい風を吹かせた偉大な画家です。
また、それと同時に色彩の魔術師ともいわれており、その面でも大きな話題になりました。
そんなマティスの素晴らしい作品を是非皆さんも調べてみてください!